放置厳禁!歯石をそのままにしておくとどうなるのか?
私たちが毎日行っている歯磨きですが、しっかりと磨けていないと「歯石(しせき)」が蓄積してしまうことがあります。
歯石はただの汚れではなく、放置することでさまざまな口腔トラブルの原因になるものです。
本記事では、歯石を放っておくリスクと、歯石をためないための具体的な予防策について、わかりやすく解説いたします。
歯石とは?その正体を知る
まず、歯石とは歯垢(プラーク)が唾液中のカルシウムやリンと結びついて硬化したものです。
歯垢は毎日の歯磨きで取り除くことができますが、磨き残しがあるとわずか2~3日で歯石に変化してしまいます。
一度歯石になってしまうと、歯ブラシでは除去できず、歯科医院での専用器具によるスケーリングが必要になります。
歯石は見た目にも黄ばんでいたり、黒ずんでいたりして美観を損ねるだけでなく、口の中の健康にも大きな影響を与えるのです。
歯石を放置すると起きる4つのトラブル
1. 歯周病の進行
歯石は表面がザラザラしており、さらに細菌が繁殖しやすい環境を作ります。
その結果、歯茎が炎症を起こして歯周病が進行してしまいます。
進行すると歯茎が下がり、最悪の場合は歯が抜けてしまうこともあります。
2. 口臭の原因に
歯石の中や周囲にたまった細菌は、食べカスやタンパク質を分解し、強烈な臭いを放ちます。
歯石が多い人は、どれだけガムやマウスウォッシュを使っても根本的な口臭の改善にはなりません。
3. 虫歯のリスクが高まる
歯石の周囲は清掃が困難になり、虫歯菌が集まりやすくなります。
とくに歯と歯の間、歯と歯茎の境目は虫歯ができやすいポイントであり、歯石があることで虫歯の進行が加速するのです。
4. 美しい歯並びが台無しに
歯石は歯の表面に不自然な層を作り、見た目が悪くなります。
前歯などに歯石が付いていると、「不潔な印象」を与えてしまうことにもなりかねません。
歯石をためないための3つの予防策
1. 毎日の丁寧な歯磨き
歯石の元となる歯垢をためないことが最大の予防策です。
毎食後、2〜3分間を目安に丁寧にブラッシングしましょう。
特に歯と歯茎の境目、奥歯の裏側は歯垢が残りやすいので重点的に磨くのがポイントです。
2. デンタルフロスと歯間ブラシの活用
歯ブラシだけでは60%程度の歯垢しか除去できないとも言われています。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、歯と歯の間の汚れまでしっかり落とすことができます。
夜の歯磨き後にはぜひ取り入れたい習慣です。
3. 定期的な歯科検診とクリーニング
たとえ丁寧に歯を磨いていても、完全に歯垢を除去するのは難しいものです。
少なくとも半年に一度は歯科医院でプロのクリーニング(PMTC)を受けることで、歯石の付着を防ぎ、早期にトラブルを発見できます。
歯石は「できてから除去」ではなく「できる前に防ぐ」
歯石は一度できてしまうと自然には取れません。
だからこそ、日々のケアで「歯石ができない環境」を整えることが何よりも重要です。
歯磨きを単なるルーティンとしてこなすのではなく、「汚れを残さない」意識を持つことで、歯石予防につながります。
また、定期的な歯科受診は、虫歯や歯周病の早期発見にもつながり、結果的に歯の健康寿命を延ばすことができます。
まとめ:歯石の放置は百害あって一利なし
歯石は「歯にくっついた石のようなもの」と思われがちですが、実際には細菌の巣となる非常に危険な存在です。
口臭、歯周病、虫歯など、口の中のあらゆるトラブルの引き金となり得ます。
毎日の正しいブラッシングと歯科での定期的なクリーニングが、歯石をためないための基本です。
「痛くなってから行く歯医者」ではなく、「予防のために通う歯医者」へと意識を変えることで、健康で美しい歯を守っていきましょう。