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ガソリン暫定税率ってなに?
車を持っている人なら、ガソリン価格の高さを一度は気にしたことがあるのではないでしょうか。
その価格の中には、実は「税金」が大きく関係しています。
ガソリンには「本則税率」と呼ばれる基本の税金に加え、もともとは一時的な措置として導入された「暫定税率(ざんていぜいりつ)」が上乗せされています。
この「暫定税率」は、道路整備のために一時的に作られたものでしたが、期限が来ても延長され続け、気がつけば何十年も維持されてきました。
つまり、「一時的」といいながら、ずっと続いてきた税金なのです。
暫定税率の廃止はいつから?
2025年10月現在、政府・国会では暫定税率を廃止する方向で議論が進んでいます。
与野党の協議や法案審議の内容を踏まえると、「2025年11月1日」からの廃止が最も有力視されています。
ただし、正式に決定したわけではなく、国会での最終的な可決が必要です。
仮に予定どおり実施されれば、11月以降のガソリン価格に変化が現れる可能性があります。
廃止されるとどうなる?主なメリット
1. ガソリン価格が下がる
一番のメリットは、ガソリン価格の低下です。
暫定税率が廃止されると、1リットルあたり 約25円 程度安くなると予想されています。
たとえば、今まで160円だったガソリンが135円前後になる計算です。
満タン(40リットル)にすれば、約1,000円もお得になります。
車をよく使う人にとって、これは大きな節約効果です。
特に通勤や営業で車を使う人、地方に住む人には恩恵が大きいでしょう。
2. 物価の安定化につながる
ガソリン代が下がると、運送や物流のコストも減ります。
トラックや宅配便の燃料費が安くなれば、その分、商品価格や配送コストも抑えられるため、物価全体の安定化につながる効果があります。
食品・日用品など、あらゆる商品が輸送されていることを考えると、家計全体にも良い影響が期待されます。
3. 家計のゆとりが増える
ガソリン代が下がれば、毎月の出費が減り、その分を貯金やレジャーに回すことができます。
年間を通じて見ると、1世帯あたり1万円近い節約効果があるともいわれています。
値上げ続きの時代に、こうした負担減はうれしいニュースです。
気をつけたい!デメリットや注意点
1. 税収が減る
ガソリン税のうち暫定税率分は、国や地方の大切な財源です。
この税金がなくなると、年間で1兆円近い税収減になるとも言われています。
このお金は道路の整備や補修、交通安全対策などに使われているため、廃止後の財源をどうするかが大きな課題です。
2. 道路整備が遅れる可能性も
ガソリン税は道路インフラに使われることが多いため、税収が減ると、地方の道路整備や補修が遅れるリスクもあります。
特に、雪国や山間部などでは道路の老朽化が進んでおり、資金不足は安全面にも影響を与えかねません。
3. 原油価格や為替の影響は残る
税金が下がっても、ガソリンの値段は「原油価格」や「為替レート」に左右されます。
もし原油価格が上がれば、税が減っても結果的にガソリン代は上がってしまうこともありえます。
つまり、「税金がなくなる=ずっと安い」とは限らない点に注意が必要です。
4. 公平性の問題
ガソリンをよく使う人ほど得をする仕組みになるため、都市部で車を持たない人との不公平感が出るという意見もあります。
また、電気自動車(EV)への移行を進める政府の方針との整合性も課題です。
今後の見通しと私たちにできること
ガソリン暫定税率の廃止は、「国民の生活を助ける」一方で「税収減のリスク」もあるという、両面を持つ政策です。
廃止の正式な時期は今後の国会審議で決まりますが、2025年11月ごろから段階的に変化が始まる可能性が高いと見られます。
私たちにできることは、ただニュースを待つだけではありません。
日常の中でできる節約行動(エコドライブやカーシェアの活用など)を意識し、「ガソリンに頼りすぎない暮らし方」を考えることも大切です。
まとめ:生活に直結する大きな変化
ガソリン暫定税率の廃止は、単なる税制変更ではなく、私たちの生活そのものに関わる大きな転換点です。
ガソリンが安くなれば家計は助かりますが、社会全体のバランスをどう保つかが問われています。
政府の動きをしっかり見守りながら、節約やエネルギー利用の見直しも進めていきましょう。
そして、「なぜこの税金があり、なぜ変わるのか」を理解することが、より良い社会への第一歩になります。
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