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はじめに:冬場の便利アイテムが一転、事故の原因に
冬の朝、凍ったフロントガラスを短時間で溶かしてくれる便利なアイテム、それが「解氷スプレー」です。
エアゾールタイプやトリガータイプなど、手軽に使えるため多くのドライバーが活用しています。
しかしながら、この便利なアイテムを正しく扱わないと、「爆発」や「破裂」という想像以上に重大な事故につながるリスクがあります。
例えば、車内に放置していたスプレーが破裂してしまったという実例も出ています。
本記事では、解氷スプレーがなぜ爆発するのか、そのメカニズム、具体的な危険シーン、そして事故を防ぐための対策を分かりやすくご説明いたします。
なぜ「解氷スプレー」が爆発・破裂するのか
① エアゾール缶=高圧化された容器
解氷スプレーの多くはエアゾール缶仕様です。
噴射剤としてガス(たとえばプロパン・ブタンなど)が入っており、内部圧力が高めに保たれています。
たとえば、製品の安全データシートには「高圧容器:熱すると破裂のおそれ」と明記されています。
つまり「缶が高温になる」「外部から加熱される」状況では、容器がその圧力に耐えきれず破裂・爆発する可能性があります。
② 可燃性噴射ガス+狭い空間での使用・保管
さらに大きな要因は「可燃性ガスが使われている」という点です。
たとえば、ある記事では「スプレー製品には、噴射剤として LP ガスやブタンガスなどの可燃性ガスが使われている」ことを指摘しています。
車内のような狭い空間でスプレーを使用後、缶内・車内に残ったガスが火源(タバコ、ライター、車内電装のスパークなど)に触れて引火・爆発した実例も報告されています。
③ 夏場の高温放置が特に危険
多くの事故が「冬用にと車内に置いたまま、夏になって高温になった車内で缶が破裂」といったパターンです。
例えば、「スプレー缶を車内に常備して、車内温度が上昇する夏季には破裂や爆発の可能性があります」との注意もありました。
要は「温度上昇による缶内部圧力の上昇」+「可燃性ガスの滞留」+「火気との接触」という三重の条件が揃うことで、爆発リスクが飛躍的に高まるのです。
実際に起きた事故・事例から学ぶ
具体例:北海道札幌市、車両爆発事故
2025年8月6日、札幌市中央区のドラッグストア駐車場で、停車中の車が爆発する事故が発生しました。
原因は明確ではないものの、ドライブレコーダー映像には「スプレー缶が吹き飛ぶ様子」が記録されており、消防は「車内でスプレー使用後、換気せずにタバコを着火したことでガスに引火した可能性」を重視しています。
ネット相談:車内放置による破裂
また、Q&Aサイトには「車内に放置していた解氷スプレーが破裂してしまい、中身が飛散して悪臭が…」という相談もありました。
安全データシートの警告
さらに、ある解氷スプレー製品の安全データシートには「蒸気は空気より重い可能性がある」「容器は火災の熱で爆発する恐れがある」「熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること」などの記載があります。
これらの事例・資料から、爆発事故は決して「稀な出来事」ではなく、製品特性を誤認・保管・使用を誤れば起こる可能性のある「現実的なリスク」であることが分かります。

爆発・破裂を防ぐための具体的な対策
対策① 保管場所に要注意
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車内に長期間置かないことが第一です。特に夏場に直射日光が当たる車内は、スプレー缶の内部温度が急上昇します。
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保管場所は「暑くなりにくい」「直射日光が当たらない」「高温になりにくい」屋内またはガレージが望ましいです。
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使用シーズンが終了したら、缶を車外に出すことを習慣化しましょう。
対策② 使用時の換気を徹底
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車内で使用する際は、使用後に必ずドアやウィンドウを開放し、気化したガスを速やかに排出しましょう。記事では「少し窓を開けるだけでは不十分」「ドアを開けて換気するしかない」との指摘があります。
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特に、使用直後に「タバコを吸う」「ライターを付ける」「エンジンを停止して火気になる場所になる」などの行動は大変危険です。
対策③ 使用環境・製品仕様を確認
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解氷スプレーの種類(エアゾールタイプ・トリガータイプ)や仕様を理解しておきましょう。製品の「高圧容器」「可燃性ガス使用」の注意表示を必ず確認。安全データシートには「熱すると破裂のおそれ」「着火源から遠ざける」などの警告があります。
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使用後のスプレー缶は残ガスが残っている可能性があるため、簡単にゴミとして出すのではなく、自治体の規定に従うか、残圧処理が必要な製品もあります。
対策④ 冬だけでなく“オフシーズン”も意識
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冬の必需品だからと言って、オフシーズンになったら放置というのは極めて危険です。夏場に高温にさらされた缶は、熱膨張+ガス圧+残留ガスという条件で破裂リスクが高まります。
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冬が終わったら缶を取り出し、涼しい場所で保管するか、次シーズンまで保留する習慣をつけましょう。
まとめ:働くプロが知っておくべき「リスクと対策」
本記事では、解氷スプレーが爆発・破裂する原因から、実際に起きた事故、そして具体的な対策までを整理してきました。
移動中・出張・車を使った通勤時など、車との関わりがある方は特に以下のポイントを再確認してください。
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解氷スプレー=便利だが、高圧缶・可燃性ガスという特性がある。
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車内保管・使用後換気を怠ると「爆発」という重大事故につながる。
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冬だけでなく、オフシーズン(夏)も油断せず適切に保管・処理が必要。
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使用前・使用後の習慣化(缶を車外に出す/使用後すぐ換気)を持つことで、事故リスクを大きく低減できる。
「少しでも早く」「少しでも便利に」という思いで無造作に使ってしまうと、その“便利”が一転して大きなリスクとなる可能性があります。
ぜひ冬の準備・車内アイテム管理の一環として、解氷スプレーの取り扱いについて社内・ご家庭でも共有し、安全に備えてください。
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