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自動車覇権が日本から中国へ――その理由を最新データで読み解く
世界の勢力図が変わった:輸出首位は中国へ
かつて「自動車といえば日本」と言われていた時代がありました。
しかし、いまやその構図は大きく変わりつつあります。
2023年、中国は年間526万台を輸出し、世界最大の自動車輸出国となりました。
日本の輸出台数(約422万台)を上回り、長年の“トヨタ・日産・ホンダ”中心の時代が転換点を迎えています。
また、電動車市場でも中国の存在感は圧倒的です。
2024年、世界の電動車(EV・PHEV)販売は約1,700万台に達し、そのうち1,100万台以上が中国市場で販売されました。
まさに“電動化時代の中心”が中国にあるといえます。
中国の強み①:国家主導の電動化戦略
中国政府は「新エネルギー車(NEV)」を国家の戦略産業として位置づけ、巨額の補助金や税制優遇を行ってきました。
これにより、電池・モーター・半導体・ソフトウェアといった自動車の“心臓部”を国内で一体的に供給できる体制を整えています。
特にバッテリー分野では、中国のCATL(寧徳時代)とBYDが世界1位・2位を独占。
2024年の世界シェアはCATL:37.9%/BYD:17.2%に達し、日本や韓国メーカーを大きく引き離しました。
こうした「電池支配」が、電動車コストの競争力を支える最大の要因となっています。
中国の強み②:価格・スピード・スケールの三拍子
中国メーカーは生産コストの安さに加え、驚異的なスピードで新型車を投入します。
年間を通して値下げ競争を繰り返し、市場の動きをすぐ反映させる柔軟性も強みです。
その結果、輸出台数は2019年の70万台 → 2024年には550万台超と急増。
海外ではヨーロッパ、東南アジア、中南米など多地域で販売を拡大し、世界の道路で中国ブランド車を見る機会が急速に増えています。
中国の強み③:スマート化とソフト技術
中国メーカーは、電動化だけでなく“車のスマート化”にも力を入れています。
車内OS、音声アシスタント、コネクテッド機能など、スマートフォンのようにアップデート可能な車づくりを進めています。
特にBYDやNIOなどは、独自のソフトウェア開発力で欧米勢にも匹敵するレベルに到達しつつあります。
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価格:4980円~ |
日本が遅れをとった理由
一方、日本の自動車産業は依然として高品質・高信頼で評価されていますが、構造的な課題を抱えています。
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電動化対応の遅れ:日本メーカーはハイブリッド(HV)に強みを持つ一方、純電気自動車(BEV)への移行が遅れました。
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国内コストの上昇:人件費・土地・円安など、製造コスト構造が重くなっています。
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中国市場でのシェア低下:トヨタ・ホンダ・日産など日本勢のシェアは、2025年時点で11.6%まで低下。現地ブランドの台頭に押されています。
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技術の主導権喪失:電池や半導体といった基幹部品の多くが中国企業主導となり、グローバル供給網の中で日本の発言力が弱まっています。
貿易リスクの中でも中国は前進
欧米諸国は中国EVへの対抗策として、EUは最大36%の追加関税、米国は25%→100%への引き上げを発表しています。
しかし中国メーカーは、ASEAN・中南米など新たな市場へ輸出をシフトさせることで影響を緩和。
2025年も輸出台数は前年超えが見込まれています。

まとめ:電動化の波を制する者が覇権を握る
データが示す通り、「自動車=エンジン」から「自動車=電池とソフト」へと産業構造が変化しています。
この新時代において、中国は政策・規模・スピードの三拍子をそろえ、覇権をつかみつつあります。
一方の日本は、依然として品質面では世界最高水準にあるものの、次の主戦場である電動化・スマート化の領域で立て直しが急務です。
今後、トヨタをはじめとする日本メーカーがどのように戦略転換を図るのか。
“覇権の座”を取り戻せるかどうかは、電動化とソフト化への本気度にかかっています。
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