【初心者向け】DDoS攻撃とは?大量のデータ攻撃からウェブサイトを守る方法

サイバーウイルス メデイア系、解説

インターネットを利用していると、「DDoS攻撃」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。

DDoSは「Distributed Denial of Service(分散型サービス拒否)」の略称で、多数のコンピューターやデバイスから標的となるサーバーへ大量のデータを送りつけ、サーバーを過負荷状態にして正常に動作させなくする攻撃手法のことを指します。

普段何気なく使っているウェブサイトやオンラインゲームのサービス停止がニュースで報じられるとき、それがDDoS攻撃によるものだったというケースも少なくありません。

では、いったいなぜこんな攻撃が行われるのでしょうか?

そして、どういったしくみで攻撃が行われるのでしょうか?

今回は、DDoS攻撃の概要や特徴をできるだけわかりやすく紹介します。

DDoS攻撃の概要や特徴

 

DDoS攻撃の基礎となる考え方


まず、DDoS攻撃の基礎となる考え方からみてみましょう。

インターネット上のサービスは、私たちのリクエスト(要求)をサーバー側が受け取り、処理することで成り立っています。

リクエストの数が適度であれば、サーバーは問題なく動作し、ウェブページやゲームサーバーへスムーズにアクセスができるでしょう。

しかし、短期間に大量のリクエストが送られてくると、サーバーはその膨大な処理を捌ききれず、結果として動作が極端に遅くなったり、サービス自体が利用できなくなったりします。

たとえるならば、レストランに想定以上の大人数が突然押し寄せて、店員がパニックに陥ってしまい、お客さんに料理を提供できなくなるようなイメージです。

DDoS攻撃の「分散型」という部分に注目

さらに、DDoS攻撃の「分散型」という部分に注目してみましょう。

単なる「DoS(Denial of Service)攻撃」は、一つのコンピューターやネットワークから大量のリクエストを送ってサービス停止を狙うものです。

これでも被害は出ますが、大規模なサービスを狙う場合は一台のコンピューターの処理能力やネットワーク帯域幅だけでは力不足となることがあります。

一方で「分散型(Distributed)」では、攻撃者があらかじめ世界各地のコンピューターやIoT機器などをウイルス感染させて「ボットネット」と呼ばれる組織的な攻撃ネットワークを作り上げ、そこから一斉にターゲットのサーバーへ膨大なリクエストを送りつけるのです。

攻撃元が一か所ではなく、数十万台、時には数百万台といった規模にも及ぶため、対策が難しく、より大きな被害を引き起こしやすくなります。

DDoS攻撃が引き起こす影響

このDDoS攻撃が引き起こす影響は、ウェブサイトの閲覧者やオンラインサービスの利用者だけでなく、運営者にとっても非常に大きな問題です。

攻撃によってサービスが停止すると、ビジネスチャンスの喪失や顧客からの信頼低下につながるだけでなく、場合によっては補償問題に発展して大きなコストがかかることもあります。

また、攻撃が続く限りサービスを守るためにセキュリティ専門家のサポートが必要となる場合もあり、それらの対策コストが企業や組織にとって大きな負担となります。

 

DDoS攻撃はどのような目的で行われるのか?


では、DDoS攻撃はどのような目的で行われるのでしょうか。

攻撃者の目的はさまざまで、単純に「いたずら」や「能力を誇示したい」といった理由で行われる場合もあれば、不正競争による「妨害工作」や「政治的・社会的な抗議活動」の手段として利用されることもあります。

最近では、ランサムウェアのように「サービスを停止してほしくなければ金銭を支払え」という脅迫をともなうケースもあり、サイバー犯罪の巧妙化・多様化が進んでいます。

このように、DDoS攻撃はさまざまな場面で不正利用される可能性があり、企業や社会に深刻な打撃を与えかねない脅威です。

 

DDoS攻撃から身を守るためには、いくつかの対策方法

DDoS攻撃から身を守るためには、いくつかの対策が考えられます。

まずは、ネットワーク帯域を拡張し、受け取ったリクエストを「分散」して処理できる環境を整えることが基本です。

また、Webアプリケーションファイアウォールやロードバランサーといったセキュリティ機器・ソフトウェアを導入することで、不審なトラフィックを早期に検知・遮断することが可能になります。

さらに、攻撃を受けた際の緊急時対応策をまとめた「インシデントレスポンス計画」を策定しておくことで、もしもの時の被害を最小限に食い止めることができるでしょう。

知らない間に自分のパソコンやIoT機器がボットネットの一部として利用される

個人でも、知らない間に自分のパソコンやIoT機器がボットネットの一部として利用されることがあり得ます。

ウイルス対策ソフトの導入や定期的なアップデート、怪しいメールやリンクをクリックしないなどの基本的なセキュリティ対策を怠らないことが重要です。

とくにIoT機器(スマート家電やネットワークカメラなど)はセキュリティ意識が低いまま使われがちで、初期パスワードを変更しないまま放置していると、それらが踏み台となって攻撃に悪用される危険性があります。

基本的な対策を続けることが私たちの安全なネット生活を守る鍵

DDoS攻撃は、多数のコンピューターを巻き込んだ大規模なサイバー攻撃として、その威力の大きさや対処の難しさから深刻視されています。

しかし、対策を講じることでリスクを軽減することは可能です。

企業や組織だけでなく、一般のユーザー一人ひとりがセキュリティ意識を高めることで、攻撃の加害者にも被害者にもならないよう努める必要があります。

何気なく使っているインターネットの裏側では、さまざまな攻撃との闘いが繰り広げられているという意識を忘れずに、基本的な対策を続けることが私たちの安全なネット生活を守る鍵となるでしょう。

まとめ

まとめると、DDoS攻撃はサーバーへ大量のアクセスを送りつけ、過負荷によってサービスを利用不能にするサイバー攻撃です。

単一のコンピューターからの攻撃よりもはるかに大規模かつ強力で、現代のインターネット社会において大きな脅威となっています。

目的も悪戯から金銭目的、政治的意図までさまざまで、攻撃手法の巧妙化が進む中、今後もさらなる被害拡大が予想されます。

そのため、企業はもちろん一般ユーザーも自分のデバイスがボットネットに取り込まれないよう注意し、基本的なセキュリティ対策を徹底することが何より大切です。

DDoS攻撃の対策は複数の取り組みを組み合わせることで、より強固なものとなります。

もしものときの被害をできるだけ抑え、快適で安全なインターネット環境を維持するためにも、セキュリティの基本をしっかり押さえておきましょう。

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